UA-135459055-2

ナウシカが招いた死の未来

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

初めてのジブリ作品で、代表作の一つである『風の谷のナウシカ』。ナウシカには映画版と漫画版があり、映画版の内容は漫画版全7卷の中で第1巻のストーリーです。
漫画版では、王蟲や腐海の蟲はなぜ生まれたのか、巨神兵は何のために生まれたのか、ナウシカたちは何者なのか、など映画では描かれなかった衝撃の事実が明らかになります。それを知ったナウシカはある行動に出ます。それは逃れられない滅びの道です。
この記事では、漫画版で描かれた衝撃の結末・ナウシカの決断を解説します。

 世界に広がる腐海

『風の谷のナウシカ』の世界には、『腐海』といわれる森が存在します。腐海は瘴気が充満し、マスクなしでその空気を吸った者は死んでしまいます。ナウシカの父であるジルも、腐海の毒によって寝たきりの状態になっています。
さらに森には異形の蟲が生息しており、人が入るにはあまりにも危険な場所です。映画で重要な存在であった「王蟲」も腐海に生息しています。
腐海は世界にどんどん広がっています。ナウシカたちは、そんな腐海を恐れながら暮らしています。ナウシカの父・ジルも腐海の毒に侵され、寝たきりの体になっています。
腐海を焼こうにも、森を守る蟲や、王蟲が群れをなして反撃します。怒れる蟲たちははやがて力尽き、その死体を苗床にして腐海の胞子は繁殖します。その分だけ腐海は広がるのです。


全土に及ぶ汚染

汚染されているのは腐海に限った話ではありません。
ナウシカは、風の谷の隠し部屋で腐海の植物を育てていました。腐海の植物は毒を持っていますが、綺麗な水と土で育てると無害になります。ナウシカは、地下500メートルから汲み上げた、清浄な水と砂で植物を育てています。ユパにそのことを話した際「風の谷の土でも(腐海の植物を無害な植物として育てることが)ダメだった」と言っています。腐海ほどではないが、ナウシカたちが暮らす土地も汚染されているのです。

ナウシカの世界はなぜ汚染されているのか

そもそもナウシカたちの世界はなぜ汚染されているのか。
それは、ナウシカたちが生まれる遥か昔、その時代の人類は高度な文明を持っていた。そして、人類はその力を使って戦争を始め、互いを殺し合うと共に星を破壊していった。その汚染がナウシカたちの時代になっても浄化されていないのです。
ナウシカたちの時代まで続くほどの汚染です。生命体が生きのびれるような環境ではありませんでした。
旧世界の人類たちは取り返しのつかない過ちを犯したことを自覚し、ある計画を立てます。

決断を下すナウシカ

ナウシカは「遺伝子を改良してまで人類が生き延びようとしたこと」「使い捨ての命に改造したこと」に激怒します。ナウシカは「生命とは、『愛』や『喜び』だけではなく、『憎悪』や『悲しみ』などの相容れないものが入り交ざったものである」という考えを持っていました。対して旧世界の人類が目指したのは、戦争も汚染もない「汚れを許さない世界」です。ナウシカは、汚れを排除してまで生き永らえようとする旧世界の人類の考えこそが、生命に対する最たる冒涜であると批判します。そしてナウシカは「墓所」で卵となっている新人類と、旧世界の技術の結晶を壊そうとします。
そんなナウシカに対し、墓所の主(旧世界の人類の意識体のようなもの)は、「再び改造を行い、清浄な世界でも生きれるようにしよう」と提案します。しかしナウシカはその提案を聞き入れず、墓を破壊してしまいます。

これが漫画版ナウシカの最後です。
このナウシカの決断により、ナウシカの時代に生きている全ての生命体は、腐海の浄化完了と共に死んでしまいます。さらにナウシカが墓を壊したので、新たな生命体が生まれることもありません。最後に残るのは浄化された世界だけなのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA